大量生産・大量消費を繰り返さないと成長できない企業体質。
一円でも安く提供するために環境や人権を犠牲にしたコスト削減。
それら営利だけを求めた結果、環境や人権に負のインパクトを与え続けることになりました。
「SDGs」というコトバの認知が高まり、誰もが意識し始めてきたと思います。
とはいえ、SDGsの内容や本質はまだまだ理解されているとは言えません。
トレンドを追う企業においては、
事業とSDGsを無理やり結び付けた取り組みがなされ、
SDGsロゴやアイコンを多用した「当社は開発目標の●●番と■■番を推進しています」などといった広告が目立ち始めました。
本当に取り組んでいる企業も少なくありませんが、中には字面だけを全面に出したイメージ広告だけの企業も存在します。
また、「持続可能な・・・」というコトバも、あちこちで形容詞として使われています。
まさに取って付けたような、なにが持続可能なのか、まったく理解できない内容も散見されるようになりました。
誇張した表現、
情報源が不明で根拠がない、
関連性のないビジュアルを使用、
あいまいな表現、
これらは特に「SDGsウォッシュ」になりやすい要因です
SDGsウォッシュとは?
<sdgs-washing>
対外的にはSDGsに賛同しているように見せかけながら、実態が伴っていないケース。
この様な実態が伴わないのにSDGsに取り組んでいるように見せかけることを<SDGsウォッシュ>といいます。
もちろん、意図的にSDGsウォッシュを行うのは言語道断ですが、そのつもりがないのに結果としてSDGsウォッシュになってしまう可能性もあります。
実際にはまったくエコではないにもかかわらず、環境に配慮した運営をしているかのようなイメージを展開をしている会社や、環境や雇用問題に配慮することでコストが高くなるという理由でその部分には手を付けず、直接事業と関係のない部分の活動を進めることでSDGsを経営に取り込んでいるつもりになっている会社などは、実は身近に存在します。
今まで普通に行っていたことを、あえてSDGsに関連付けさせ、なにか特別にSDGsを推進しているかのように見せかけるケースも起きているのは、その本質を理解しておらないか、企業のイメージUPのためにあえてそうしていると考えてしまいます。
■ SDGsとしての取り組みを公表しているが、実際に行動に移していない。
■ 公表しているSDGsの取り組み内容と、実際に行っていることが矛盾している。
なぜSDGsなのか。なんのためのSDGsなのか。
その本質が抜けてしまっています。
心無い者が商売のために見せかけのSDGsやESG投資(※)を推し進めることで、真面目にESG投資やSDGsに取り組むこうとしている企業や個人の気持ちを削いでしまうことは、とても残念なことと思いませんか。
賢くなる必要があると思います。
ちまたにあふれている
「なんちゃってSDGs」を探すのも、
結構おもしろいですよ。
あなたがみつけた
「なんちゃって」を教えてくださいね。
※ ESG投資とは
ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。 日本においても、投資にESGの視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)に、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に署名したことを受け、ESG投資が広がっています。
【おまけ】
SDGsウォッシュにならないようにする方法の1つに、「SDG Compass」を参考にされてはいかがでしょうか。
SDGコンパスは、本質的なSDGsに沿った経営を行うための”指針”を掲げています。
SDGコンパスは5つのステップを示しており、それをたどることでSDGsに沿った経営に近づくきっかけとなります。
ステップ1:SDGs を理解する(これがいちばん大事ですが、本質が見過ごされがちです)
ステップ2:優先課題を決定する
ステップ3:目標を設定する
ステップ4:経営へ統合する
ステップ5:報告とコミュニケーションを行う
ご興味や必要性を感じておられましたら下記のURLから詳細をご確認してみてください。
⇒SDGsの企業行動指針ーSDG Compass (PDFファイル)